Team TRAIL MIX

TRAIL MIX - ナッツ専門店×国際山岳ガイド×管理栄養士

毎日のパフォーマンスを支える
7種類のNuts ×5種類のDried fruits

添加物完全不使用

< ナッツとフルーツには、一切何も加えていません。塩 / オイル / 砂糖/ 亜硫酸 など。完全不使用。>

INTERVIEW

山登りから学ぶ、自分の限界を越える方法。
山岳ガイド角谷道弘さんインタビュー。
〜トレイルとビジネスのためのナッツ&ドライフルーツ監修秘話〜

山を愛する人々は、ときには危険があると知りながら、なぜ頂上を目指すのでしょうか。それは、自分の限界を知り、越えるためなのかもしれません。

ナッツ専門店〈Groovy Nuts〉が山登りとビジネスを頑張る人のために開発したナッツ&ドライフルーツTRAIL MIXは、山岳ガイドの角谷道弘さんと管理栄養士の豊永彩子さんの監修の元で作られました。6500m級の過酷な登山に求められることは、過去の経験を元に積み重ねた「準備力」「思考力」「判断力」。テレビ番組『世界の果てまで行ってQ!』でイモトアヤコさんのガイドも務める角谷道弘さんに、「山と自分との向き合い方」、そしてTRAIL MIXに込めた想いについて伺いました。クライミングを楽しむ方にはもちろん、日々、ビジネスで頂点を目指す方々にも学びのあるお話だと思いますので、ぜひご覧ください。

角谷道弘(かどや・みちひろ)

国際山岳ガイド。1963年生まれ。日本山岳ガイド協会認定ガイド、UIAGM国際山岳ガイド、フランス国家認定ガイド、日本プロガイド協会会長。2000年、日本テレビ『ウッチャンナンチャンのウリナリ!!』の「マッターホルン登頂部」コーチ、2010年からは日本テレビ『世界の果てまでイッテQ!』の登山部ガイドも務めている。

充実感、満足感、緊張を抜けた後の解放感。
山登りの魅力は、そこから始まる。

TRAIL MIXの試作品とともに富士山を登る角谷さん。

イギリスの登山家ジョージ・マロリーがエヴェレストに登る理由を問われて「そこに山があるから」と答えた逸話は有名ですが、いったい山の「何」に人は魅力を感じるのでしょうか?

角谷さん:『登山の魅力はいろいろありますが、充実感、満足感、そして緊張を抜けた後の解放感。そんなところから山登りの魅力が始まる気がします。山岳ガイドの仕事ではお客さんの安全を優先するためリスクコントロールできる山にしか行きませんが、個人では危険を伴う山にも行きましたね。それはある意味、若かったからこそできたこと。人生に例えても同じですが勢いがある年齢ってありますよね。年齢と体力、山登りの経験がリンクしたときに、第一線というか、自分の限界を越えるようないいクライミングができるのだと思います』

吐き気に襲われるほどの緊張感。
その中で自分のマインドをコントロールする。

スイスの名峰マッターホルン。角谷さんが2016年にアタックした際の風景。TRAIL MIXのテストも行われた。標高4,478m。

角谷さん自身は、何がきっかけで山に魅せられたのでしょうか。そして、自分の限界を越えるクライミングとは具体的にはどのようなものなのでしょうか。

角谷さん:『自分がいつ山に魅せられたのかと聞かれると難しいですが、高校生の頃に山登りを始めて、大学に入って次第に高い山に登りたいと思うようになりました。「歩くよりロープを使ったクライミング」、「夏山より冬山」と、危ない方に惹かれたのは確かです。その頃に6000m級の山に登ったことが、山に魅了された始まりかもしれません』

富士山を一緒に登って使用感を細かくチェック

角谷さん:『当時はフルーテッドピークと呼んでいましたけど、ネパールにシングチュリという6500m級の山があって、「その山を登った」、「そのルートで登った」ということが大きな達成感に繋がっていました。難しいクライミングでは「さあ、これから頂上に行くぞ」という時に、すごく緊張するんです。前の晩から登山ルートや自分の調子を考えながら、ひとつひとつ、「大丈夫」、「大丈夫」とチェックをしていくんです。でも、不安はまったく消えない。ひどいときは強い吐き気に襲われることもある。それでも朝起きて行くんですよね。自分でもおかしいと思いますけど、今日は何かが悪いからやめようとは言えない。言えないというか、まあ、言いたくない自分がいる。強い葛藤があるんです。

でも、いざ山を登り始めて頂上に辿り着くと、そういう気持ちは全て忘れているんですよね。もちろん危険と隣り合わせなことに変わりはなくて、「この先はどうなっているのか」、「越えられるのか」、「いま登って来たところは安全に降りられるのか」と、常にいろんなことを考えて、なんとか無事に帰って来る方法を導き出そうとしているんです。そういう風に気持ちを持っていくことが、自分との戦いというか、クライミングの魅力のひとつかもしれません』

足を地面に置く前に、山肌の状況がわかる。
それが、山に慣れている、ということ。

山肌の状況を確認しながら富士山の尾根に向かう角谷さん。

自然を相手にする登山では常に予測不可能なことがつきまといます。一度、心に現れた不安は、どのように克服するのでしょうか。

角谷さん:『例えば今日みたいに富士山の尾根に向かって登っていると、歩いた感覚で「ここは土が崩れる」とか「砂が流れる」、「大きな石が落ちそう」など、その斜面のことはだいたい予測がつくんです。すると斜面が変わるまでは安心して足を出せる。でも、それが切り替る場所が必ずあって、自分が意図しないところですっと砂が流れてしまう瞬間があるんです。足を置く前にそれを感じられるぐらい山を登り込んだら、本当の意味で山に慣れていると言えるんですよね。それができなくても半歩足をついたときに、「あっ、これは、こういう風に身体が流れるから、次の足をどう置けばいいか」を瞬時に考える。難しい山の局面でも同じで、「どうやって登るか」、「どうやって降りるか」を考えています。ピッケルを持っていたら打ち込んだときの硬さや手応えを感覚で判断する。もちろん足の感覚も大事です。それらの感覚を研ぎすまして、自分がそれまで登ってきた体験と経験、そして、多少失敗もしてきましたから、そういう要素も全て合わせて、「ここは自分で行ける、安全だ」と判断して進んでいくんです』

自然を相手にする山登りは危険と隣り合わせですが、何が危険なのかを経験と感覚から判断することで、その道は安全になるのだと感じました。そして思考を巡らせながらさらに一歩前に進むことで、自分の限界が広がっていく。それこそが山の魅力なのかもしれません。

ギア選びで大事なのは、優先順位を決めること。
まずは、直接肌に付けるアイテムからスタート。

北アメリカの最高峰デナリ(標高6,190m)での1枚。マッキンリーの名称でも知られている山。

登山やアウトドアスポーツを始めたばかりだと、「どのギアを選べば良いのかがわからない」という悩みも多いのではないでしょうか。角谷さんに、ギア選びで大事にするポイントについても聞いてみました。

角谷さん:『登山用のウェアは高価だとよく言いますよね。フリースにしても昔は登山用しかなかったけれど、いまはいろんなメーカーが安い値段でジャケットを作っています。アウトドアメーカーのものと比べると2倍から4倍ぐらいの値段の差があって、「どちらを選べばいいの?」と尋ねられることも多いです。その際は「特に身体に直接身につけるもの、例えば下着やタイツ、靴下などはなるべくいいものを買ってください」とお答えしています。また、そういうものには消費期限があることもお伝えしています。何回も洗濯をしてへたってくると保温性が落ちるんですよね。山登りのギアは新品、つまり汚れがないのが一番いい状態なんです。標高の高い山の頂上にアタックする時は、最後に一度、ベースキャンプに降りて休養するんですけど、ソックスや下着などを全て新しいものに変えてから頂上に挑みます。そういう意味で、こだわるべきところに優先順位をつけてこだわるべきだと思っています。その優先順位を考えられるように「自分でいろいろ勉強したらいかがですか?」と、ガイドを担当するお客さんにはお伝えしています』

何を食べたら自分がどれだけ動けるのかを知る。
食べ物を「選ぶ」ことも、登山の重要な要素。

厳選されたナッツとドライフルーツが入った、角谷さん監修のTRAIL MIX。

身体を守ってくれるギアとともに、体力の源となる食べ物も登山には大切な要素です。角谷さんが、中目黒と鎌倉に店舗を持つナッツ専門店〈Groovy Nuts〉とともに作ったTRAIL MIXは、7種類のナッツと5種類のドライフルーツをミックスして作った行動食。そのこだわりとともに、登山における「食」のポイントについて伺いました。

角谷さん:『海外では街のスーパーマーケットにナッツが大きい袋に入って売っているんですよね。現地のクライマーはよくナルゲンのプラスティック・ボトルなんかに入れて、ばりばり食べながら登っています。山に本気で登る時はエネルギーを出し続けることが大事です。「何を食べたら、自分がどれぐらい歩けるのか」を把握する必要があるんですよね。ある程度の満腹感は必要だけど、動きたくなくなる程ヘビーではいけない。その日の食べるもので身体を作って、また翌日、山に登る。ハードな登山だと一週間から数ヶ月の単位のクライミングになるので、食べるものによって「登れるか、登れないか」、「無事に帰ってこれるかどうか」に繋がってくるんです』

管理栄養士と栄養のことを確かめながらセレクトを進めた。

角谷さん:『登山で必要なカロリーは成人男性で1日4000カロリーと言われています。それだけ体力を消耗するわけですから、少し差し引いたとしても3000カロリー以上は食べた方がいいわけです。カロリーが高いナッツはエネルギー源として良いのはもちろん、管理栄養士の豊永彩子さんと話をしていて素晴らしいと感じたのは、噛み応えがしっかりあるため唾液が出やすいこと。ある意味、正しい食事に近いんですよね』

ナチュラルなアーモンドを主軸に、
7種類のナッツと5種類のドライフルーツをセレクト。

TRAIL MIXに選ばれた、ナッツとドライフルーツの一覧。

今回、TRAIL MIXを開発するにあたって、角谷さんがナッツの主軸に据えたのはアーモンド。世の中にはアーモンドと健康に関する書籍が多く出版されていて、それらの本を読んで勉強したり、ガイドを担当しているお客さんの中で親しんで食べている人が多かったのも理由なのだと言います。

角谷さん:『TRAIL MIXではローストしていない生のアーモンドを選びました。総合スーパーの食料品コーナーに行くと、アーモンドだけでもたくさんの種類がありますよね。それらを食べてみましたが、だいたいのものは塩気が強いんです。どうしても酒のつまみのように感じて、それを1日食べるイメージが湧かなかった。登山には塩分も必要ですが、スポーツドリンクでとればいいので、行動食としてはナチュラルな味がいいと考えました』

TRAIL MIXのパッケージ。富士山のイラストが描かれたシールが採用された。

角谷さんが管理栄養士の豊永さんと打ち合せをした末にTRAIL MIXのプロトタイプが完成。ビタミンEやカルシウムを豊富に含むアーモンドをはじめ、元気のビタミンと呼ばれるビタミンB1が豊富なブラジリアンナッツ、体内のミネラルバランスを整えてくれるピスタチオ、くるみ、カシューナッツ、パンプキンシードなど、ナッツ専門店とのパートナーシップがあるからこその充実したラインナップが実現しました。またドライフルーツも、ビタミンAが豊富なマンゴー、女性ホルモンのバランスを整えてくれるフィグ、筋肉強化をサポートしてくれるパイナップル、疲労回復に有効なゴールデンベリーなど、登山のみならず、アクティブライフをサポートする要素が詰め込まれました。

マッターホルンに実際に持って行って、
さらなる改良を加えたTRAIL MIX。

ネパール、マナスルの登山風景。マナスルはヒマラヤ山脈に属する標高8,163mの山。

TRAIL MIX開発プロジェクトにおいて、〈Groovy Nuts〉のオーナー佐川一郎さんが最も重視したのは、監修する角谷さんが世界最高峰の山に持って行っても満足するクオリティを追求すること。すぐに製品化することはせず、プロトタイプを角谷さんにテストしてもらって改良が加えられました。TRAIL MIXが角谷さんと向かった先は、スイスを代表する名峰マッターホルンです。

角谷さん:『マッターホルンは5時間ほとんど休憩なく全力で登り続けて、4時間、全力で降りて来る、というような過酷な山です。だから、お客さんはハイドレーションという水を飲むためのチューブを装着するのですが、飲めるチャンスは3回程度しかない。そうでないと登れない山なんです。そういう状況でも何かを食べないと、後半、消耗が激しくて身体が動かなくなってしまうんですよね。そんな時に、腹持ちのいいナッツが結構効いたなと感じました』

角谷さんの話を聞きながら、管理栄養士の豊永さんが登山に必要な栄養素を含むナッツとドライフルーツをセレクト。

角谷さん:『帰国後に改良を加えたのは、ドライフルーツを少し増やした方が食べやすいと感じたので、僕が最も味も食感も良いと感じたいちじくを増やしてもらいました。また、疲れても食べやすい柑橘系があった方がいいと感じて、みかんのドライフルーツを足してもらいました。みかんを足すには、いろいろ難しい条件があったみたいですけどね』

アメリカ、デナリに登る角谷さん。2015年、6月。

角谷さん:『パッケージの仕様も満足のいく結果でした。最初は外側が紙なので大丈夫かなと心配したんですが、中面がビニールで完全防水なんですよね。袋が濡れる場面でも破れなかったので、これはいいなと。あと、空気が抜ける構造が素晴らしかった。登山をする人たちは雨具でも着替えでも何でもかさばらないように小さくパッキングしたいんですよね。この袋は空気を抜けるので小さくできるし、ナッツが湿気るのも防げる。気に入って、よく、ぎゅーっとやってましたね(笑)』

マッターホルンでTRAIL MIXを試す角谷さん。

角谷さんの行動食。フルーツ、パン、TRAIL MIX他。

山と向き合うことは、冒険から生還するための取捨選択を繰り返すこと。厳しい状況下に置かれてこそ、本当に必要なものが見えてくるのかもしれません。アウトドアのギアやフードに求められる要素は、普段、人々が気付かない本質をサポートすること。必要なエネルギーを効率的に取り入れることを目的として作られたTRAIL MIXは、クライマーだけでなく、ビジネスを頑張る人もサポートしてくれるのではないでしょうか。最後に、角谷さんに、これから山登りを始める人へのアドバイスを伺いました。

山は初心者もベテランも区別をしない。
体力、装備、食、すべてに本気で向き合って欲しい。

TRAIL MIXのパッケージは、空気を抜くことができる構造になっている。

角谷さん:『初心者の方に申し上げたいことは、残念ながら、山は初心者であれベテランであれ、区別してくれないんですよね。天候が悪くなったら誰もが同じ環境に置かれてしまう。初心者の方は慣れてない分、不利になってしまうんです。そのため、楽しんでもらいたいとは思いますけども、やるならば本気で山登りをして欲しいなと思います。

本気の準備というと言葉の説明が難しいですが、例えば食料ひとつでも「何を食べたら、自分がどれぐらい歩けるのか」を理解すること。いかに困難な山であっても、無事に帰って来れるかどうかは、目の前のことの延長戦上にあるんですよね。そういう意味で、体力や筋力にしても、装備にしても、食べものにしても、ぜひとも本気で向き合って欲しいなと思います。上も下もないですが、自分の限界を越えるような困難な山を登っていけばもっともっと楽しくなるし、限界を越えたときには、また別の世界が広がっている。やればやるほど楽しいのが登山なのだと思います』

ヒマラヤ山脈に属するガネーシュ・ヒマールの風景。

いかがでしたか? 角谷さんのお話を伺って、山登りの魅力は自分の限界を越える冒険ができることなのだと感じました。その際、ただ闇雲に突き進むのではなく、目の前のひとつひとつの要素の本質を理解して、過去の経験を元に感覚を研ぎすませながら、一歩ずつ、歩を進めることが大事なのだと気付かされました。「そこに山があるから」というジョージ・マロリーの言葉は、人間が限界を越えていくのに理由なんてないさ、と言っているのかもしれません。そしてそれは、普段の生活やビジネスにおいても同じなのではないでしょうか。

(写真:広川泰士、角谷道弘、編集・文:松尾 仁、協力:金子正剛、河邊里奈)